あの苦しみが再び
ビーンブーズルで、ロシアンビーンズ
前編



数週間前の土曜日

休日出勤の帰りに立ち寄ったヴィレッジヴァンガードを物色していると、



背中の方から、



俺を呼び寄せる何かを感じた。








これは・・・





あのジェリービーンズと似ている・・・










そんなことがありえるのだろうか?!
あのジェリービーンズは、既に売られていないはず。

まさか、こんなに大量に売られているジェリービーンズが、
あんな味だったりするはずが・・・・



半信半疑で買ってきたジェリービーンズ
これが、ビーンブーズルである。








箱の裏面を見ると・・・・










どこかで・・・

見たことのある光景が・・・





《比較:ハリーポッターの百味ビーンズ》


デジャブか・・・





裏面の説明と図を見る限り、

どうやらこのジェリービーンズは、

各色ごとに2種類の味が設定されており、

片方が普通の味、
片方が
言葉に出来ないような味
になっているらしい。






いや、大体の答えは分かっている。

どんな悲惨なことになるか、分かっているつもりだ。


それでも、奇食を目の前にして、食べずにはいられない。


なぜなら俺は、奇食ハンターだから。










過去のトラウマを振り払うかのように、

俺は箱のミシン目へと指を突き立てた。



開いた。




箱の中からざざざっと出てきたのは、



前に見たことがある、

不気味な色のジェリービーンズ達だった・・・・

(全体的に、明るい色が少なくて、暗い色のが多いんだよなぁ〜・・・)






◆1つ目 プラム味と、何か◆


2つの味があるということは、

当たりがあり、ハズレがある。


俺一人で食べると、そのうちハズレを引いてしまうのは間違いないので、

ここはうちの嫁も巻き込むことにした。




プラム味と、何かは全部で4つあった。



まずは俺が一つ食べる・・・








!!!!!







いきなりのヒット!!!







ハズレだ・・・・






ブラックペッパー味じゃねぇか・・・・






久々に食べる、ジェリービーンズのブラックペッパー味


これでもか!というほど喉を刺激する・・・・





これだこれだ、この再現力だ・・・

胡椒が入っているはずはないのに、

見事なまでにそれっぽいブラックペッパー味のジェリービーンズ


眉間にしわを寄せながら、ようやく飲み込むことが出来た。





あぁ・・・・



先が思いやられる・・・・・













◆2つ目 リコリス味と、何か◆




2つ目に選んだのは、リコリス味と、何かである。





そもそもこのチョイスは、日本人にとって酷すぎる。

リコリス味て・・・・


サルミアッキと似たような味じゃん・・・・







当たりを引いても地獄、

ハズレを引いたら・・・・





サルミアッキの記憶が甦り、



食べるのに躊躇していた俺の横で、








先に食べてしまった嫁がこんなことを口走った。



「あ、なんかこれ、ちょっと甘いよ。甘いコーヒーみたいな味」















嫁よ・・・






それは・・・間違いなく、






リコリスの味ではない・・・・







大ハズレだよ・・・・・





それは、Skunk Spray味だよ・・・・





日本語で言うと、






おなら味なんだよ・・・・・










おならは、ほろ苦く甘い


まるで青春のような淡い味が、口の中に広がるようだ。









◆ここで、ちょっと小休止◆





ここまでに、2つの味を食べたわけだが・・・





まだこんなに残っているわけで・・・

(リコリス味&Skunk Spray味なんて、あと5つもある・・・)







あぁ・・・・





やっぱり、


先が思いやられる・・・・











◆3つ目 ベリーブルー味と、何か◆





3つ目に選んだのは、


色鮮やかなこのジェリービーンズ





ブルーベリーではなく、ベリーブルー味と、何かである。







今回は、食べる前に臭いをかいでみた。










・・・・・・。









ジェリービーンズ表面の固い皮に阻まれて、

中の臭いの違いが分からない・・・





仕方ない、、、、、、






食うか。






いただきまーっす。。。。







ぶふっ!!!!!!!!!







出た・・・・・歯磨き粉め〜!!!!





見事に引いてしまったハズレは、Toothpaste味


そう、歯磨き粉味である。




どんな味かと説明するまでもない、この味



本来は爽やかな味のはずなんだが、


ジェリービーンズとして出会うと、こうも不愉快だとは思わなかった。


いやぁ、不味い。

困ったもんだ。





◆4つ目 バナナ味と、何か◆



4つ目に選んだのは、


明るい色のこのジェリービーンズ





なんかもう、どれもが怪しく思えてきた。

黄色のジェリービーンズの中に見える
茶色の斑点が、異物に見えて仕方ない




右から左から、上から下から


舐めるようにジェリービーンズを観察する俺の横で、




またしても嫁が先に突っ込んでいく。





「うわ、何これ。木の味?」






嫁よ、それはハズレだ。



木ではなく、Pencil Shavings味


エンピツの削りカス味なんだよ・・・・







続いて俺も食べてみたが、

見事にハズレをGET(笑)



確かにこのPencil Shavings味は、

エンピツの削りカスの味がする・・・

もちろん、エンピツの削りカスを
モリモリと食べたことなどあるはずは無い
のだが、


なんだか、納得がいく。



誰もが「あぁ、エンピツの削りカス味だよね」
納得のいくクオリティに仕上がっているのだ。




そもそもさ、

なんでこの味を選んだんだろう?


どんなにゆるい雰囲気で会議をやっても、

日本の会社では発想しえない味だと思う。

奇想天外すぎる。



数多くの奇食を食べてきた俺ですら、

首をひねらずにはいられない、

意図が全く読めない味の数々、






これでまだ4つ目なんだよなぁ・・・

(全部で10色あるようだ)









◆5つ目 ココナッツ味と、何か◆



5つ目に選んだのは、

純白のジェリービーンズ





ココナッツ味と、何かである。


ジェリービーンズの表面に変な斑点とかが無いと、
なんだか落ち着く。

これは冷静に試食が出来そうだ。





最初につまんだ一粒を口に入れると、、、、、







これは当たり。

口の中にはココナッツの風味が広がる。

実にトロピカルだ。美味い。






そして、





俺の対面に座っている嫁からは、




こんな言葉が聞こえてきた。






「なんかさ、ティッシュみたいな味がするんだけど?」




当たりだ。





ハズレだが、当たりだよ、嫁よ。








それはBaby Wipes









つまり・・・













これは・・・









赤ちゃんの・・・・・









おむつ味だ・・・・・







おつむではない、おむつだ。


(これだよ、これ)










重病を宣告する医者は、こんな気持ちなのだろうか。


2人の会話は、一旦ここで途切れ、

彼女はコップに注いであったお茶をぐいっと飲み干したのであった。





続く

(あと5色分は、次回レポートにて)




追記
Baby Wipesを訳すとおむつなんかじゃないよ!!
という方もいらっしゃるかと思いますが、
おむつと書いたのには理由もありまして・・・

詳しくは後編の最後をご覧くださいませ。




なお、近くに売っているお店が無いという方は
楽天でも売っているようなので、通販でどうぞ。



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